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― 現代詩フォーラム選集 ―

毎週木曜日更新予定。

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お知らせ
 しばらく休止していた『現代詩フォーラム選集』ですが、
 運営者の都合により継続が困難となりました。

 申し出があれば管理・運営権の譲渡を検討しています。
 簡単に条件を挙げますが、これら以外も考慮に入れて判断させていただきます。

 ・現代詩フォーラムで1年以上活動されている方
 ・管理・運営能力のある方


 ※猶、言うまでもないことですが、僕にわざわざ断らずに似たような企画をされることに何の問題もないです。その際は応援させて下さい。



                 07,12,19  相田 九龍
フォーラム選集 | - | comments(6) | -
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最新情報
9/14  お待たせしました!6作品掲載!!

   葛西佑也さん推薦作品3篇
         藍露さん『生命を孕んだみず(いる/いない)』
         地下鉄さん『あおみどろ』
         名ナ。さん『流れ』  

   亜有美さん推薦作品3篇
         吉田ぐんじょうさん『こわいはなし』
         亜樹さん『空のオリ』
         からふさん『いつか大人になる少女たちへ(おもいで)』




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いつか大人になる少女達へ(おもいで)
口笛が遠くまで聞こえるのは
まわりに誰もいなかったからだ
分かっていたんだろう


少女よ
どこにも行かなくていい
君が知ってる誰もかもは
どうせ君の知らない場所で笑っている


白く細く
くもの糸のような息を吐きなさい
どうせどこにも届きやしないが
それはそれでいい


(ゆっくりと
 ぼやけた夜のヨーデルが
 右頬をすり抜けていった
 木々は倒れないように
 ただじっと数をかぞえている
 きっとそれらをゆっくりと包んでいく)


朝露を舐め続けて寄り道を忘れないで赤いリボンを外さないでくだらない
約束をくだらないと言わないで絵本を破り捨てないで雨を嫌いなままでい
てスキップをやめないで余計な物で飾らないで楽しそうに笑って夢で怖が
ってみせてよ、ねえ、それだけでいいから


枯れた花じゃ
押し花は作れないので
その時は惜しげもなく君を殺すよ
少女よ





       作/からふ さん
フォーラム選集 | 薦/亜有美さん | comments(0) | -
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空のオリ
昔行った動物園
何にもいないオリが一つ
風にふかれてパタパタと
白い張り紙音立てる

『キリンの花子は亡くなりました』

遠くで鳴いてる象の声
カバが飛び込む水の音
白い張り紙パタパタと

『キリンの花子は亡くなりました』







         作/亜樹 さん
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こわいはなし

家を出ると
道端に
無数の舌が落ちていた

赤信号が
誰ひとり停められなくて
途方に暮れているような真夜中だった

舌たちは
うすべにいろの花のように
可愛らしく揺れながら
あたりの夜を
すっかり舐めとってしまう
すると朝がくるのである

そうやって夜が明けることを
二十三年間生きてきて
初めて知った

舌たちは明け方の光を浴びると
しゅるしゅるしゅると消えてしまう

ジョギングをしているおじさんが
呆然としているわたしにおはようと言う



恋というものは大変おそろしいと思う
どこへ行ってもそこにある全てが
好きな人に見えてしまう

一度など
ゴミ捨て場に捨ててあるビニル袋が
力なく横たわる無数の好きな人に見えた

あるいは
コンビニの陳列棚に
小さい好きな人がぎっしり詰まって
にこにこ笑っていたこともある

このごろのわたしときたら
外出もせず
部屋で背を丸めて正座をしている
それでも
自分自身が
だんだん好きな人になってゆくのを
どうしても止めることができないでいるのだ

なんという体たらくだろう

好きな人が遠ければ遠いほど
わたしがどんどんいなくなってゆく



心臓がない人と出会った
その人は青白い顔で
体もこころも冷たいままで
それでもずいぶん元気そうだった

そうして
自分がどうやって生きているのか
全然わからないんだよ
と笑っていた

その人は指先を切っても
血が出ないらしい
ただし無闇にのどが渇く
と言いながら
途方もない量の水を飲んでいた

ようく見てみると解るのだが
その人の体は少し透けている






        作/吉田ぐんじょう さん
フォーラム選集 | 薦/亜有美さん | comments(1) | -
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流れ
今朝の珈琲未だ渦巻いていた


       この病気は渋滞だわ
       あのトンネルに吸い込まれたいがため
       誰もがハンドルを握るのだわ
       堅いシートはお尻の形にくぼみ
       ひとつぶひとつぶ汗を吸収し
       鋼の道路へタイヤの跡をスタンプしてく
       乾いた軌跡を見たいから
       窓から下方を凝視する癖


 山は 濃い緑色に ところどころ露見した柔はだを雲が翳め おひさまを隠した


       やがて四方を覆う密閉容器に流し込まれ
       脳裏に焼きつくオレンジの蛍光灯が
       わたしの生きる証なのだとしたら
       迫ってくる陽の光それはただの通過点なのだとしたら
       小さなものものをより一層強く掌握して
       巡ってゆかねばならぬのか


 薄緑の台地 牛馬は餌を食み 歯間に挟まる小花に舌打ちして 土を踏み鳴らす


       自然がありあまる上を通過したからって
       ありがとうとは思えない
       なだらかにあがっては下がる赤いブリッジの流麗さが
       突如現れたからといってただの感動に置き換えるわけに
       行かない
       旅の途中であなたがより一層強く舵を取るのは
       無数の感激たちに押しつぶされぬ為

       いつかは腐る 思い出たちよ





              作/名ナ。 さん
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あおみどろ
あおみどろの きょだいな なめくぢが こうていの きぎをはい かぜをとめて ひとりきる みずみずしい こどもようの ちいさなスコップで すなあそびばへと まいそうする あたまをなで めだまはどこなの とたずねると とっきぶつから さいごの すいぶんを こぼし さしだした そこは ねむりを しきんきょりから とつぜん はっぽうする あおみどろに かがやく ふるい つきが なめくぢの なきがらを いおとしている ひかりのおをひく かげが こうぞうぶつを ぬぎすて めをふきかえす





             作/地下鉄 さん
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生命を孕んだみず(いる/いない)
手首の傷に花びら
傷口から血液が滴り落ちて
新たな植物が生えてくる。
濡れて光る植物。
わたしはそれを摘んで
もしゃら、もしゃら、と食む。
身体のなかで花びらが咲き誇る。
tsurara、tsurara、tsurara、
五臓六腑に染み渡る花畑。
花の海が満ちる。
きれいな海、
さざめいて、さざめいて。

白いフレアスカートの裾がざわめいて
手首の花びらが散ってゆく。
ひとひらの雪のように。
地面に触れて 溶ける。
みずが流れる。
足首はみずに浸って
美しい朝を洗う。
朝は洗われて 生まれ変わる。
朝の皮を剥いて
つるり、とした朝を頬張る。
とれたての果物のような果汁が迸る。

風の落とし物が響いている。
「ここはどこ」
「ここはみずが生まれる場所」
ふたりで駆け抜けた緑に輝いていた草原、
が底に埋まっている。
ポケットには言葉のかけら
みずのなかに落ちてゆく、落ちてゆく。
わたしは濡れながら
それを拾い集める。
拾い集めると 手首を傷つけて、
また花が咲く。

リフレイン、リフレイン。

わたしは瞼を閉じる。
輪郭線が消えてゆく。
溶けてゆく指先。
垂れてゆく耳たぶ。
絡み合って、混じり合って、混沌としている。
そこにわたしはいるの?
そこにあなたはいるの?
見えない。
見えない。
(いる/いない/いる/いない/いる/いない)

流れてゆく。
みずのなかでとぅろとぅろに交わって、新しい子を産む。
新しい子も見えない。
産声だけが聴こえる。
身体を持っていない。
輪唱のように産声がこだましている。
何者でもないなにか、
がいる/いない/いる/いない/いる/いない

リフレイン、リフレイン。

生命を孕んだみず。
見えないわたしたちはまたとぅろとぅろに交わって、
みずを飲む。

わたしは瞼を開ける。

わたしは見えない。
あなたも見えない。
新しい子も見えない。

(いる/いない/いる/いない/いる/いない)

色んなものが混じり合ったみずが流れている。







       作/藍露 さん
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最新情報
8/23   一挙6作品掲載!!!!

   相田九龍 推薦作品
            Tsu-yoさん「のまど」
            吉田ぐんじょうさん「えいえんの夏」 
            ザラメさん「弱いものから消えてゆく」

   前田ふむふむさん推薦作品
            yo-yoさん「つくつくぼうし」
            たもつさん「その海から」
            広田修さん「機械」  


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機械
時間は円をめぐる歩行者のようで、はてのない夢境にて死を装い続ける。驟雨にぬれた林の小道で、あざやかな多面体をステッキで描く。数々の速度がきざまれた都市の舗石の上で、マッチの火をともす。視界をおおい始める煙雪に足をとめて、黄道へとのぼってゆく。彼の親指の空洞には夕暮れの空がひろがっていて、ガラスでできた小部屋で少年が恋文を書いている。時間には足音がない。

ひとつの機械が彼の手のなかに目覚めている。そこから世界のあらゆる突端へとのびるナトリウム繊維。南へと移動する硬質な空に、幾条ものみぞを彫りこむ。機械は求めているのだ、孤児のように。だがしずかに外部となった石英刃は、瞬間にひらめいて絃を截断する。にぶい金属音。降りそそぐ雨滴に呼応するかのように、刃は絃を選別する。やがてひとつの大きな音律へと、パターンは描かれる。刃はみずから砕け散り、表皮へと突きささり、内部となる。

……液体、だったのか。時間の手の甲にてとけゆく雪片は。赤血、だったのか。歯車のすきまを満たす重くふてぶてしい液体は。芳園、だったのか。時間の足首からにじみ出る醇美な赤血は。墓標、だったのか。機械の中心部にかたむき明滅する回路素子の芳園は……。

剪定されたかなしみに、機械はくるおしく周波数をゆらがせる。するどい回転音。限られてしまったのだ、秋めいた孤島へと。約束の地へと飛び立つ黒鳥の群れ、大魚から逃げおおせるうつくしい熱帯魚。そして、上気する湖。機械は時間の手を離れ、大気圧を二重に迂回しながら発声をかぞえ上げる。梢をめぐって嘆きに沈み、血の温度を三度さげる。機械には比熱がない。

星々はゆがみ、海面は下降した。機械はふたたび温度を上げ、風景のそれぞれの断層から電磁波のスペクトルを呑みこむ。ウサギの目に映る数々の記録の精度。「あのウサギは動く墓標だ。うつむいた衛星が彼を射殺す前に、僕が大地へと固着させてやろう。」機械はすべての導電線を引きちぎると曇天の空へと跳びあがった――。

紫の粒子たちの間をかいくぐって、ウサギの背の上に着地する重機械。内臓のつぶれる湿った音に、マザーボードの砕けるかたい音。錯乱した機械にはノイズがなだれ込む。それきり、機械は活動を停止した。

いつまでも、海は笑っていた。

時間の手のなかには新しい機械が、血を吸いながら胎動をはじめていた。





     作/広田修 さん
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