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⇒ 緑川 ぴの (07/26)
― 現代詩フォーラム選集 ―
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夏
2007.07.26 Thursday | 21:03
夏の
夜が
激しさを増し
ぼくは
水が欲しかった
とても
海水浴
波に
持ち上げられて
足がもうつかない場所へ
つま先に虚無が触れ
頭上には
目を閉じても赤い
太陽
波の腕が
ふいに太くなり
無造作に
叩きつけられた
衝撃の後
手のひらがすこし
裂けて
傷口から
ぼくがすこし
失われるような
生まれるような
感覚
波で
洗われては
生まれる
血
血は
海水にゆらめいて
生き物のように
漂っていった
あ
待ってくれ
もらった手紙の返事を
言うよ
今
すぐに
照れたり
もったいぶったり
ごめん
裂け目をぐっと
押さえ
うずく
傷口
疲れた
身体
夏の
夜が
激しさを増し
ぼくは
きみが欲しかった
とても
夏休みの間じゅう
波間に漂っていたぼく
地元での事件を
知らずに
もらった手紙の返事を言うはずだった
クラスメートの名前が、
消えていた
残されたのは
日焼けた肌と
手のひらの
白い
傷跡
うずく
いつまでも
まぶたから
なにかが
失われるような
生まれるような
感覚
涙で
洗われては
生まれる
きみ
眠れば
つま先に虚無が触れ
頭上には、、
夜が
秋に侵食され
ぼくは
きみの
影でもいい
欲しかった
いまも
作/ふるる さん
夜が
激しさを増し
ぼくは
水が欲しかった
とても
海水浴
波に
持ち上げられて
足がもうつかない場所へ
つま先に虚無が触れ
頭上には
目を閉じても赤い
太陽
波の腕が
ふいに太くなり
無造作に
叩きつけられた
衝撃の後
手のひらがすこし
裂けて
傷口から
ぼくがすこし
失われるような
生まれるような
感覚
波で
洗われては
生まれる
血
血は
海水にゆらめいて
生き物のように
漂っていった
あ
待ってくれ
もらった手紙の返事を
言うよ
今
すぐに
照れたり
もったいぶったり
ごめん
裂け目をぐっと
押さえ
うずく
傷口
疲れた
身体
夏の
夜が
激しさを増し
ぼくは
きみが欲しかった
とても
夏休みの間じゅう
波間に漂っていたぼく
地元での事件を
知らずに
もらった手紙の返事を言うはずだった
クラスメートの名前が、
消えていた
残されたのは
日焼けた肌と
手のひらの
白い
傷跡
うずく
いつまでも
まぶたから
なにかが
失われるような
生まれるような
感覚
涙で
洗われては
生まれる
きみ
眠れば
つま先に虚無が触れ
頭上には、、
夜が
秋に侵食され
ぼくは
きみの
影でもいい
欲しかった
いまも
作/ふるる さん
アトランティック メルヘン
2007.07.26 Thursday | 21:02
原稿用紙の正方形を
ひとつひとつ塗り潰す作業
色は
別に決っていない
「できました」
教壇でしかめ面がなおらない
うさぎ先生に持って行く
すると
「わたしは
きみに塗り絵を教える為に
ここへ来てるわけじゃないっ」
とカンカンでした
カンカンで
ますますその額の白さは広がって 行く
白墨の色よりさらに真っ青
冷や汗を拭いていますと
ふと
きづきました
原稿用紙は炊きたてご飯の香りだと
おしゃもじでマス目をすくって
よそいたくなる
そんな白さ だと
「先生 ごめんなさい」
初めて素直にあやまれたあの日は
あたしの下着が
赤く染まった日
だったのです
作/名ナ。 さん
ひとつひとつ塗り潰す作業
色は
別に決っていない
「できました」
教壇でしかめ面がなおらない
うさぎ先生に持って行く
すると
「わたしは
きみに塗り絵を教える為に
ここへ来てるわけじゃないっ」
とカンカンでした
カンカンで
ますますその額の白さは広がって 行く
白墨の色よりさらに真っ青
冷や汗を拭いていますと
ふと
きづきました
原稿用紙は炊きたてご飯の香りだと
おしゃもじでマス目をすくって
よそいたくなる
そんな白さ だと
「先生 ごめんなさい」
初めて素直にあやまれたあの日は
あたしの下着が
赤く染まった日
だったのです
作/名ナ。 さん
/ 07.07.17 記録
2007.07.26 Thursday | 21:00
今日は風がひんやり冷たい
いつもなら
ぬら、
とする時間帯
台風は太陽を連れ去ったけど
置いていかれたのか
動きたくなかったのか
おおきくてグレイな雲が
あたしを見つめてる
じ、
と
+
ぼやけた輪郭が
すこしずつブレを失う/取り戻す
裸眼に眼鏡をかけるように
それは
たった一回で
たった一通で
たった一言で
たったそれだけで
+
覚えたばかりのことばで
意味がやわらかさを内包しているうちに
どの雨にも沁みるより早く
あたしにください
あたしに埋め込んでください
+
おちゃをわかす
ぷらすちっくのいれものいっぱいに
つくる
くせに
すぽーついんりょうすいばかりのんでいる
ものだから
れいぞうこのなかで
しずかに
べつのものに
へんかしてゆく
それを
む
ひょうじょうで
ぐれいなあなにむかって
ざーとすてて
また
おちゃをわかす
そうだな
たぶん
しゅういちぺーすで
+
飛行機の音だと分かる
空を見なくても
ごおおおおお
ゴー
Let's go
NEXT another DAY
with me?
with you?/nobody?/somebody?
+
右の耳たぶに
四ッ葉のクローバー
風よ
あたしを
自由にしてみて
やさしくなれるよう、がんばるから
作/イチカワナツコ さん
いつもなら
ぬら、
とする時間帯
台風は太陽を連れ去ったけど
置いていかれたのか
動きたくなかったのか
おおきくてグレイな雲が
あたしを見つめてる
じ、
と
+
ぼやけた輪郭が
すこしずつブレを失う/取り戻す
裸眼に眼鏡をかけるように
それは
たった一回で
たった一通で
たった一言で
たったそれだけで
+
覚えたばかりのことばで
意味がやわらかさを内包しているうちに
どの雨にも沁みるより早く
あたしにください
あたしに埋め込んでください
+
おちゃをわかす
ぷらすちっくのいれものいっぱいに
つくる
くせに
すぽーついんりょうすいばかりのんでいる
ものだから
れいぞうこのなかで
しずかに
べつのものに
へんかしてゆく
それを
む
ひょうじょうで
ぐれいなあなにむかって
ざーとすてて
また
おちゃをわかす
そうだな
たぶん
しゅういちぺーすで
+
飛行機の音だと分かる
空を見なくても
ごおおおおお
ゴー
Let's go
NEXT another DAY
with me?
with you?/nobody?/somebody?
+
右の耳たぶに
四ッ葉のクローバー
風よ
あたしを
自由にしてみて
やさしくなれるよう、がんばるから
作/イチカワナツコ さん