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― 現代詩フォーラム選集 ―

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ラモーナの月
あいするふるさとの
夜をみてなにもいうことがない
わたしの夜は満ちるささやき
トウモロコシ畑を渡るやわらかな風

ハローお月さま
かえってきたよ
三鷹のかわいいネオンサインの
ビルの隙間のお月さま

目抜き通りを
抜けビルを抜けあたりいちめん
シロツメクサムラサキツメクサ
カラスノエンドウ

わたしのまちは草いきれのした
友だちはみな
盛り場に行ってかえってこない

ハローお月さま
ちいさいころから
なにもかわらないあなたの家
あなたはいつもみつめている
わたしは思い出すのに忘れる

芝生畑にコウモリ
明けがたにカッコウ

目抜き通りの
人の群れ足のしたいちめんに
踏みつけて割れた友だちの


ハローお月さま
ただなかの鳥が素通りしていく
わたしの夜は街灯のひかり
ビルからみあげるまっくろな空
いつだってあなたの顔をみていた
いつだってあなたはわたしをみている
ハロー、

お月さま

元気だった?







        作/かるやゆうこ さん
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ワールド・ライト
重力の演奏が、あた  乾燥し、聖文字の様
りには散乱している、 に去勢された植物が、
カーテンが何かを隠  森のあちこちで絵を
し、塗り潰された色  描いているから、足
の部屋、大きく息を  を振って距離を取り、
吸い、自分勝手に、  引かれる髪にはむら
色をつけていく、そ  が生まれ、歩いた道
の時の右手の静脈だ  の残り香に、こども
けが、ただ赤い、温  が群がっている、夜
みを絶ち切られる、  が降りてきている、

雨降りの街で、鈴を付けたヒトに連れられる、
ジャンク・フードがそこいらで、再生されて
行き、あまもり、振動、頚動脈の触感、携え、
地下で心を失くし、エンドレスの、雨音、吹
き出してくる、波の泡と、どこかへ消える階
段、服のきれはしは、見事に踏みにじられ、
小児科の前で白服のヒトが演説をたれている、
鈴の音は、水てき浮く肌を打ち、遠きを近く
にして、踏み鳴らすおとさえ彩色に、豊かか
ら、獣がうまれおちて、子を生そうとする、

重力の演奏が、あた  乾燥し、聖文字の様
りには散乱している、 に去勢された植物が、
折り紙の手で、カー  タイルの脹脛に亀裂
テンを掻き分ける、  を入れ、その線記号
手から情報誌がぽろ  をこどもらに話して
ぽろおちて、それが  聞かせる夜、こども
蛾になる、部屋は水  らも植物も、何をも
浸しで、蛾が耳のな  怖がらないから、自
かに入り、なにもか  由時間の猶予を与り、
もが、綺麗だった、  つい、遊び惚ける、

雨降りの街で、鈴を付けたヒトに連れられる、
そのヒトが歩いた跡、打ち身めいた腫れが浮
かび、街は挨拶をしないヒトであふれた、急
患、と叫びゆくヒトは罪過を振り撒き、季節
の隙間に入っていく、卵黄をつぶして子供た
ちが遊ぶと、夕方になり、むしろ静まった空
は、軽業師のようだった、切れてゆく切れて
ゆく、から、繋がり、ぼくらが一斉に逮捕さ
れゆく夕闇に、街に除光液が降り頻り、身体
の冷えていく僕を、路地の奥で見つめる獣、






          作/田崎智基 さん
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「その海から」(21〜30)
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カレンダーを見ると
夏の途中だった
日付は海で満たされていた
子供だろうか
小さな鮫が落ちて
少し跳ねた
恐くないように
拾って元に戻した



22

フライパンが笑っていた
自分を鳥類図鑑か何かと間違えていたのだった
図鑑は笑わないことを教えてあげた
図鑑のように笑わなくなった
静かに朝の始まる頃
台所の方から
鳥の羽ばたく音が聞こえてくる



23

朝、一人の銀行強盗が
なくした僕のブランコを
届けに来てくれた
特に困っていたわけでもなかったが
なければないで少し不便にしていた
一日草の花びらが後から
僕の名前を呼んだ
他の名前を呼ばれても
たぶん気づかなかった



24

水槽と同じ匂いの犬が
古ぼけた庭を走り回っている

無言で門扉を直す豆腐売りの
懐かしい肩だけが見える

他がどうなってるか
知る人も今では少なくなった



25

あなたの肋骨と肋骨の間に
一区画の土地がある
あなたが家を造っている
造りかけの家に
夕食時の家族の団欒がある
僕もその中の一人だった
人数を数えていたら
あなたはパジャマを直して
肋骨を閉じた



26

リトマス試験紙が
赤く反応した
近くのやかんには
湯冷ましが半分入っていた
プラスチックの何か
塊のようなものがあった
空には
虹以外のものがかかっていた



27

針葉樹林に雨
人々の労働は原型を留め
たしかに僕の手は
何かを働いていた
カウンターにライス
針葉樹林に雨
生きる、の発音が
うまくいかない



28

傘の柄に書いた名前が
消えかかっていたので
それならばいっそ
消して書き直そうと思って
実際に消してみると
簡単に消えた
それからもう一度書いた
季節とかそういう話ではなく
何かに期待してはいけない
いつもその言葉のとおりだった



29

なにもない、
があった

空から
なにもない、
が降って
なにもない、
に優しく
積もった

なにもない
ただあなただけが椅子に座り
靴のサイズを
気にかけていた



30

壁と壁の隙間で
人は靴擦れし続けた
いくつもの朝があり
newspaperは配られ続けた

わたし、を名乗れば
わたし、はいつも
わたし

異物を飲み込んだ子供たちが
診療所でどこまでも
列をつくっている

その幸せを
人は信じ続けた





            作/たもつ さん
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