- / 07.07.17 記録
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⇒ 緑川 ぴの (07/26) - 夏
⇒ 緑川 ぴの (07/26)
― 現代詩フォーラム選集 ―
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夏
2007.07.26 Thursday | 21:03
夏の
夜が
激しさを増し
ぼくは
水が欲しかった
とても
海水浴
波に
持ち上げられて
足がもうつかない場所へ
つま先に虚無が触れ
頭上には
目を閉じても赤い
太陽
波の腕が
ふいに太くなり
無造作に
叩きつけられた
衝撃の後
手のひらがすこし
裂けて
傷口から
ぼくがすこし
失われるような
生まれるような
感覚
波で
洗われては
生まれる
血
血は
海水にゆらめいて
生き物のように
漂っていった
あ
待ってくれ
もらった手紙の返事を
言うよ
今
すぐに
照れたり
もったいぶったり
ごめん
裂け目をぐっと
押さえ
うずく
傷口
疲れた
身体
夏の
夜が
激しさを増し
ぼくは
きみが欲しかった
とても
夏休みの間じゅう
波間に漂っていたぼく
地元での事件を
知らずに
もらった手紙の返事を言うはずだった
クラスメートの名前が、
消えていた
残されたのは
日焼けた肌と
手のひらの
白い
傷跡
うずく
いつまでも
まぶたから
なにかが
失われるような
生まれるような
感覚
涙で
洗われては
生まれる
きみ
眠れば
つま先に虚無が触れ
頭上には、、
夜が
秋に侵食され
ぼくは
きみの
影でもいい
欲しかった
いまも
作/ふるる さん
夜が
激しさを増し
ぼくは
水が欲しかった
とても
海水浴
波に
持ち上げられて
足がもうつかない場所へ
つま先に虚無が触れ
頭上には
目を閉じても赤い
太陽
波の腕が
ふいに太くなり
無造作に
叩きつけられた
衝撃の後
手のひらがすこし
裂けて
傷口から
ぼくがすこし
失われるような
生まれるような
感覚
波で
洗われては
生まれる
血
血は
海水にゆらめいて
生き物のように
漂っていった
あ
待ってくれ
もらった手紙の返事を
言うよ
今
すぐに
照れたり
もったいぶったり
ごめん
裂け目をぐっと
押さえ
うずく
傷口
疲れた
身体
夏の
夜が
激しさを増し
ぼくは
きみが欲しかった
とても
夏休みの間じゅう
波間に漂っていたぼく
地元での事件を
知らずに
もらった手紙の返事を言うはずだった
クラスメートの名前が、
消えていた
残されたのは
日焼けた肌と
手のひらの
白い
傷跡
うずく
いつまでも
まぶたから
なにかが
失われるような
生まれるような
感覚
涙で
洗われては
生まれる
きみ
眠れば
つま先に虚無が触れ
頭上には、、
夜が
秋に侵食され
ぼくは
きみの
影でもいい
欲しかった
いまも
作/ふるる さん
アトランティック メルヘン
2007.07.26 Thursday | 21:02
原稿用紙の正方形を
ひとつひとつ塗り潰す作業
色は
別に決っていない
「できました」
教壇でしかめ面がなおらない
うさぎ先生に持って行く
すると
「わたしは
きみに塗り絵を教える為に
ここへ来てるわけじゃないっ」
とカンカンでした
カンカンで
ますますその額の白さは広がって 行く
白墨の色よりさらに真っ青
冷や汗を拭いていますと
ふと
きづきました
原稿用紙は炊きたてご飯の香りだと
おしゃもじでマス目をすくって
よそいたくなる
そんな白さ だと
「先生 ごめんなさい」
初めて素直にあやまれたあの日は
あたしの下着が
赤く染まった日
だったのです
作/名ナ。 さん
ひとつひとつ塗り潰す作業
色は
別に決っていない
「できました」
教壇でしかめ面がなおらない
うさぎ先生に持って行く
すると
「わたしは
きみに塗り絵を教える為に
ここへ来てるわけじゃないっ」
とカンカンでした
カンカンで
ますますその額の白さは広がって 行く
白墨の色よりさらに真っ青
冷や汗を拭いていますと
ふと
きづきました
原稿用紙は炊きたてご飯の香りだと
おしゃもじでマス目をすくって
よそいたくなる
そんな白さ だと
「先生 ごめんなさい」
初めて素直にあやまれたあの日は
あたしの下着が
赤く染まった日
だったのです
作/名ナ。 さん
/ 07.07.17 記録
2007.07.26 Thursday | 21:00
今日は風がひんやり冷たい
いつもなら
ぬら、
とする時間帯
台風は太陽を連れ去ったけど
置いていかれたのか
動きたくなかったのか
おおきくてグレイな雲が
あたしを見つめてる
じ、
と
+
ぼやけた輪郭が
すこしずつブレを失う/取り戻す
裸眼に眼鏡をかけるように
それは
たった一回で
たった一通で
たった一言で
たったそれだけで
+
覚えたばかりのことばで
意味がやわらかさを内包しているうちに
どの雨にも沁みるより早く
あたしにください
あたしに埋め込んでください
+
おちゃをわかす
ぷらすちっくのいれものいっぱいに
つくる
くせに
すぽーついんりょうすいばかりのんでいる
ものだから
れいぞうこのなかで
しずかに
べつのものに
へんかしてゆく
それを
む
ひょうじょうで
ぐれいなあなにむかって
ざーとすてて
また
おちゃをわかす
そうだな
たぶん
しゅういちぺーすで
+
飛行機の音だと分かる
空を見なくても
ごおおおおお
ゴー
Let's go
NEXT another DAY
with me?
with you?/nobody?/somebody?
+
右の耳たぶに
四ッ葉のクローバー
風よ
あたしを
自由にしてみて
やさしくなれるよう、がんばるから
作/イチカワナツコ さん
いつもなら
ぬら、
とする時間帯
台風は太陽を連れ去ったけど
置いていかれたのか
動きたくなかったのか
おおきくてグレイな雲が
あたしを見つめてる
じ、
と
+
ぼやけた輪郭が
すこしずつブレを失う/取り戻す
裸眼に眼鏡をかけるように
それは
たった一回で
たった一通で
たった一言で
たったそれだけで
+
覚えたばかりのことばで
意味がやわらかさを内包しているうちに
どの雨にも沁みるより早く
あたしにください
あたしに埋め込んでください
+
おちゃをわかす
ぷらすちっくのいれものいっぱいに
つくる
くせに
すぽーついんりょうすいばかりのんでいる
ものだから
れいぞうこのなかで
しずかに
べつのものに
へんかしてゆく
それを
む
ひょうじょうで
ぐれいなあなにむかって
ざーとすてて
また
おちゃをわかす
そうだな
たぶん
しゅういちぺーすで
+
飛行機の音だと分かる
空を見なくても
ごおおおおお
ゴー
Let's go
NEXT another DAY
with me?
with you?/nobody?/somebody?
+
右の耳たぶに
四ッ葉のクローバー
風よ
あたしを
自由にしてみて
やさしくなれるよう、がんばるから
作/イチカワナツコ さん
大輔
2007.07.19 Thursday | 21:20
出口から朝刊が突き出ていて
ひきぬこうとすると ひっかかって
一面がびりびりになってしまった
松阪大輔の首がちぎれて
胴体だけで ガッツポーズしてる
顔がみたくて
手をさしこむけれど
無理にひくと
二の舞いになるので
ドアをあけ
入り口に立ち
口をあげ
ベロみたいに垂れる切れはしを
そっと
ぬき 皺をのばし 左右が
裂けてしまっているので
あわせると 以外にも
大輔は苦々しい顔をしている
どうした?
大輔?
出口をしめ そうだ見出しだ!
と胴体をひろげると
「惜敗!松阪 ランディーに・・・」
が飛び込んできて
そうか やっぱり 胴体
だけで
判断してはいけないのだな
と 今更ながらに
首の重要性 を知る事となった
胴体をめくり返すと
あいかわらずの無精ヒゲが
打ちまくり
51のナルシズム
が シンシナティーから
つたえられている
作/角木優子 さん
ひきぬこうとすると ひっかかって
一面がびりびりになってしまった
松阪大輔の首がちぎれて
胴体だけで ガッツポーズしてる
顔がみたくて
手をさしこむけれど
無理にひくと
二の舞いになるので
ドアをあけ
入り口に立ち
口をあげ
ベロみたいに垂れる切れはしを
そっと
ぬき 皺をのばし 左右が
裂けてしまっているので
あわせると 以外にも
大輔は苦々しい顔をしている
どうした?
大輔?
出口をしめ そうだ見出しだ!
と胴体をひろげると
「惜敗!松阪 ランディーに・・・」
が飛び込んできて
そうか やっぱり 胴体
だけで
判断してはいけないのだな
と 今更ながらに
首の重要性 を知る事となった
胴体をめくり返すと
あいかわらずの無精ヒゲが
打ちまくり
51のナルシズム
が シンシナティーから
つたえられている
作/角木優子 さん
こいびと
2007.07.19 Thursday | 21:19
私の手を引いて
どこまでも私を連れ去ろうとする
まるでその長い髪は
風を受けて
海を渡るかのように
肌からはいつも異国の潮の香りがして
午後には防波堤に接した
カフェでランチを
そして
男たちがうらやましがる
貴方の乳房を私はじっと見つめる
ジェーンバーキンの様な瞳の奥から
私をくしゃくしゃにつかんで
どこまでもとおく放り投げる
私はとても
貴方の唇が好きだ
まるで時よとまれ、と言いたくなるように
いつもしっかりと結ばれた唇には
私以外が誰も知らない秘密が隠されている
私がその秘密に触れる時
女友達はゆっくりとくだって
私と一緒に海になる
あなたはとてもうつくしいので
わたしのしらないことをおおくしっている
だけれどもあなたはとてもさびしがりやなので
いつも午後に私を誘いにやってくる
そのジェーンバーキンの様な瞳の奥で
あなたはいつも何を見ているのかしら?
女友達が今日もやってくる
そして貴方は私にその唇で
小さな秘密を一つ一つ語ってくれる
あなたはわたしのこいびとだ
作/荒川陽子 さん
どこまでも私を連れ去ろうとする
まるでその長い髪は
風を受けて
海を渡るかのように
肌からはいつも異国の潮の香りがして
午後には防波堤に接した
カフェでランチを
そして
男たちがうらやましがる
貴方の乳房を私はじっと見つめる
ジェーンバーキンの様な瞳の奥から
私をくしゃくしゃにつかんで
どこまでもとおく放り投げる
私はとても
貴方の唇が好きだ
まるで時よとまれ、と言いたくなるように
いつもしっかりと結ばれた唇には
私以外が誰も知らない秘密が隠されている
私がその秘密に触れる時
女友達はゆっくりとくだって
私と一緒に海になる
あなたはとてもうつくしいので
わたしのしらないことをおおくしっている
だけれどもあなたはとてもさびしがりやなので
いつも午後に私を誘いにやってくる
そのジェーンバーキンの様な瞳の奥で
あなたはいつも何を見ているのかしら?
女友達が今日もやってくる
そして貴方は私にその唇で
小さな秘密を一つ一つ語ってくれる
あなたはわたしのこいびとだ
作/荒川陽子 さん
おんがくのつもりで
2007.07.19 Thursday | 21:18
おんがくのつもりでなつの夜に
しろい文たちをまきちらしました
そして、という次を言う前に
すっかりひと昔前の鼓動がもどって
なにもしらない少女のようです
わたしはにこにこと
散らした花びらを
そらに舞わせ
手をあげてよろこんでいたのです
作/秋山加奈 さん
しろい文たちをまきちらしました
そして、という次を言う前に
すっかりひと昔前の鼓動がもどって
なにもしらない少女のようです
わたしはにこにこと
散らした花びらを
そらに舞わせ
手をあげてよろこんでいたのです
作/秋山加奈 さん
光りについての短詩篇
2007.07.12 Thursday | 20:06
*
光が光りを失えば
もう歩かなくとも済むだろう
闇が闇を失えば
しゃべらなくとも済むだろう
光はいつも道を指し
闇はことばを誘いだして
ぼくを孤りにしてしまう
きょうまで光りから遁れ
昏さからも遁れて来た
けれどおもてに出てあの流れへ入る
きみのすぐそばを群れのたくさんが急ぐ
ソーダ水を片手に青年がひとり立ってる
だれからも遠くだれからも愛されないかれは
一瞬壜を日にかざすと
光りを閉じ込めて呑み込んでしまった
声をかけようとしたけれど
道の決まっているものはふりむかない
ぼくもいかなくてはならない
きみは石そっくりの陰部を砕いて
古めかしいことばを捨てようとしてる
*
かれらが内ちにとどまるよう
願ってもみたけれど
叶わないのだ
水に溶けるのを見るのみで
あなたは朽ちかけの壁に背を許し
ゆうぐれを浴びていましたね
腐った野苺と野犬の吼声のなかを
ふたりだけで立っていた
「あなたは光と翳のゆくえを知りたい?」
ちょうど夕日が林のなかにあって
赤いまなざしがこっちを向いたときだった
あなたはかみ合わない視線で吐息した
「わたしはあなたの姉でも妹でも弟でもあるのよ
つまりあなたの存在の一つでもあるの」
ぼくには姉も妹もいなかったのに
ぼくには兄や弟がいるかも知れないのに
ただうなずいて
夜が来るのを待っていた
いったいなにが云いたいのだ
少し苛立ち
少し笑み
夜の深みを待っていた
ゆうぐれが終わったころ
互いの沈黙のなかで死のおとが鳴った
満たされない景色のうえで
あなたはぼくを通し
あなた自身に語りかける
「どんな日没もどんな日の出も
きみの孤独を反映したりはしないだろう
か細い光りが胸のあたりに
ただ刺さるだけ──。」
そこで光りは落ちた
*
風が頬を撫ぜると 笛の子供らがいっせいに舌を出す ある正午 ぼくは光りのない燈をもぎとりながら夜を待っていた 道を次第に町へ入る 高架路の足首 車たちの手術室 医者のための洋食屋 無人給油所の破れた管 そのなかに芽吹いたもの 六月の日のなかで不正は早くも凍死する 私鉄T駅からA警察署へ 知らないひとびとに挨拶をくれながら少年は取り残される おれはなにも知らないんだ 青と黄しか知らない ああそろそろぼくもいかなくちゃ 藍色のテントハウスが空腹を告げた 素知らぬかおで国道を過ぎると目の前を大きな象! ステンレス製の和式便所 そのうらで休息する にせものの雷鳴を載せて長距離運輸トラックの走る ぼくが追求するのは不正ではない 色と輪郭の張り合わせ 百足の行進 白人が農夫を嘲り 畑に笑って唾をたれてる 病院通りの狭路 そして連れ去れた少女たち ぼくはとうとう太陽に覆いをかけた
*
閉じられた戸口にかげはふかく
行と行のあいだを伝い
ことばに沁みてゆく夜半
かれらはその室にあって
ひどく怯えていた
消えた明かりのもとをさ迷い
書かれたあとの
読まれたあとの景色を見つめてる
まあ かわいらしい児
あのひとは黄色い手をまっすぐ展ばしたけれど
そのために死んでしまった
どうしたことだろう
窓をみつめたが
写っているのはだれかの幽霊
ああ言葉を憶えてしまっては逃げ場などないのさ
なにをどう書いたって
だれかを愛し傷つけてしまう
白いノートのうえに鼻を撫ぜる匂い
それはまぐそのかも知れないし
苺のかも知れない
雨季のとかげの
あるいはインクのかも知れない
ぼくは死を書いた
笛の子供らがいっせいに舌を出す
かれらが追求するのは不正ではない
色と輪郭の張り合わせ
ぼくはあなたを通しぼくに語りかける
光が光りを失えば
もう歩かなくとも済むだろう
闇が闇を失えば
しゃべらなくとも済むだろう
だからおまえよ
眼も足も手放せと
ぼくは聞こえないふりをして少し苛立ち
少し笑んで朝を待っていた
すると扉がひらかれて
だれかの言葉が
だれかを殺し終えて立っている
ぼくもあのひとのように青い手を展ばした
*
作/giova さん
光が光りを失えば
もう歩かなくとも済むだろう
闇が闇を失えば
しゃべらなくとも済むだろう
光はいつも道を指し
闇はことばを誘いだして
ぼくを孤りにしてしまう
きょうまで光りから遁れ
昏さからも遁れて来た
けれどおもてに出てあの流れへ入る
きみのすぐそばを群れのたくさんが急ぐ
ソーダ水を片手に青年がひとり立ってる
だれからも遠くだれからも愛されないかれは
一瞬壜を日にかざすと
光りを閉じ込めて呑み込んでしまった
声をかけようとしたけれど
道の決まっているものはふりむかない
ぼくもいかなくてはならない
きみは石そっくりの陰部を砕いて
古めかしいことばを捨てようとしてる
*
かれらが内ちにとどまるよう
願ってもみたけれど
叶わないのだ
水に溶けるのを見るのみで
あなたは朽ちかけの壁に背を許し
ゆうぐれを浴びていましたね
腐った野苺と野犬の吼声のなかを
ふたりだけで立っていた
「あなたは光と翳のゆくえを知りたい?」
ちょうど夕日が林のなかにあって
赤いまなざしがこっちを向いたときだった
あなたはかみ合わない視線で吐息した
「わたしはあなたの姉でも妹でも弟でもあるのよ
つまりあなたの存在の一つでもあるの」
ぼくには姉も妹もいなかったのに
ぼくには兄や弟がいるかも知れないのに
ただうなずいて
夜が来るのを待っていた
いったいなにが云いたいのだ
少し苛立ち
少し笑み
夜の深みを待っていた
ゆうぐれが終わったころ
互いの沈黙のなかで死のおとが鳴った
満たされない景色のうえで
あなたはぼくを通し
あなた自身に語りかける
「どんな日没もどんな日の出も
きみの孤独を反映したりはしないだろう
か細い光りが胸のあたりに
ただ刺さるだけ──。」
そこで光りは落ちた
*
風が頬を撫ぜると 笛の子供らがいっせいに舌を出す ある正午 ぼくは光りのない燈をもぎとりながら夜を待っていた 道を次第に町へ入る 高架路の足首 車たちの手術室 医者のための洋食屋 無人給油所の破れた管 そのなかに芽吹いたもの 六月の日のなかで不正は早くも凍死する 私鉄T駅からA警察署へ 知らないひとびとに挨拶をくれながら少年は取り残される おれはなにも知らないんだ 青と黄しか知らない ああそろそろぼくもいかなくちゃ 藍色のテントハウスが空腹を告げた 素知らぬかおで国道を過ぎると目の前を大きな象! ステンレス製の和式便所 そのうらで休息する にせものの雷鳴を載せて長距離運輸トラックの走る ぼくが追求するのは不正ではない 色と輪郭の張り合わせ 百足の行進 白人が農夫を嘲り 畑に笑って唾をたれてる 病院通りの狭路 そして連れ去れた少女たち ぼくはとうとう太陽に覆いをかけた
*
閉じられた戸口にかげはふかく
行と行のあいだを伝い
ことばに沁みてゆく夜半
かれらはその室にあって
ひどく怯えていた
消えた明かりのもとをさ迷い
書かれたあとの
読まれたあとの景色を見つめてる
まあ かわいらしい児
あのひとは黄色い手をまっすぐ展ばしたけれど
そのために死んでしまった
どうしたことだろう
窓をみつめたが
写っているのはだれかの幽霊
ああ言葉を憶えてしまっては逃げ場などないのさ
なにをどう書いたって
だれかを愛し傷つけてしまう
白いノートのうえに鼻を撫ぜる匂い
それはまぐそのかも知れないし
苺のかも知れない
雨季のとかげの
あるいはインクのかも知れない
ぼくは死を書いた
笛の子供らがいっせいに舌を出す
かれらが追求するのは不正ではない
色と輪郭の張り合わせ
ぼくはあなたを通しぼくに語りかける
光が光りを失えば
もう歩かなくとも済むだろう
闇が闇を失えば
しゃべらなくとも済むだろう
だからおまえよ
眼も足も手放せと
ぼくは聞こえないふりをして少し苛立ち
少し笑んで朝を待っていた
すると扉がひらかれて
だれかの言葉が
だれかを殺し終えて立っている
ぼくもあのひとのように青い手を展ばした
*
作/giova さん
フラグメント
2007.07.12 Thursday | 20:04
ハローグッドバイ
ハローグッドバイ
ゆらりゆらりと
朝のメルヘン
たびからたびの
たびからたびへ
百万光年も
二百万光年も
神のためにその石は削られ
深い傷を負った陰影を語り継ぐ
忘れさられた朝の神秘に
あなたは
無傷の言葉の影響を信じ*1
眠りつづける祈りのように
魂の意味へと静かにちかづく
ハローグッドバイ
ハローグッドバイ
それは
美しい構築をうしなった
ながれゆくメロディ
もうずっと
殺されつづけるだけのひかりではない
震えるくろがねの切先にとどまり
いのちそのものの輝きをめざした
純潔な逆光
、ただひとつ
あさのきせきに
宿してしまった
うぶごえのかなしみ
あるいは
いつまでも僕はそれに触れていよう
〜グラスの底の羊水の永遠に
祈られた静寂が投げかけられると
メメント・モリ
敬虔な朝のメルヘンがゆっくりと反響している〜
すると
そのように
ひとつのあさ
ひそやかに
まどぎわに置かれた
花の余生が
とても美しい
作/もりおかだいち さん
ハローグッドバイ
ゆらりゆらりと
朝のメルヘン
たびからたびの
たびからたびへ
百万光年も
二百万光年も
神のためにその石は削られ
深い傷を負った陰影を語り継ぐ
忘れさられた朝の神秘に
あなたは
無傷の言葉の影響を信じ*1
眠りつづける祈りのように
魂の意味へと静かにちかづく
ハローグッドバイ
ハローグッドバイ
それは
美しい構築をうしなった
ながれゆくメロディ
もうずっと
殺されつづけるだけのひかりではない
震えるくろがねの切先にとどまり
いのちそのものの輝きをめざした
純潔な逆光
、ただひとつ
あさのきせきに
宿してしまった
うぶごえのかなしみ
あるいは
いつまでも僕はそれに触れていよう
〜グラスの底の羊水の永遠に
祈られた静寂が投げかけられると
メメント・モリ
敬虔な朝のメルヘンがゆっくりと反響している〜
すると
そのように
ひとつのあさ
ひそやかに
まどぎわに置かれた
花の余生が
とても美しい
作/もりおかだいち さん
にんしょう
2007.07.06 Friday | 23:16
お前
なめとるんか
こんなデータやったら
取らん方がマシやで
同期が上手くかからなくて
流れている光が良く解らなくて
細かくして見ても
雑音に邪魔されて
立場解ってるんかい
お前みたいな奴なんて
幾らでも居るんやぞ
この数値に近づけるんや
解るか
何に対して何をもっての雑音なのか
述べる事も出来なくて
ピークで見れば
高すぎて
かと言って平均にすれば
無くなってしまい
まったく
どういうデータの取り方しとんのや
わしの言う事が
解らんようやったら
解らんと言わんかい
どの位置で
どの視点で
どこの値なのか
こんなデータやったら
うちが不利になるやろうが
うちに有利な値だけ
取ればええんや
解るやろ
判然とせずに
ただ漠然として
理解するのでは無く
感覚で読み取り
確率で割り切って
立ち位置も無くなる
どうせ何処も試験なんて
しやせんのやから
何も解っとらん奴が
提出されたデータ見て
ああだこうだ言って
許可出すだけなんや
基準を決めなくてはと思うのだが
目盛りには
基準など書いては無くて
かと言って目盛りから目が離せなくて
検証もしやせんよ
測定法も知らんような奴等が
書類見て言っとるだけやからな
ちょっと質問したら
答えられんのやから
目盛る事でしか見えない光を
流れとして捕らえる事は出来ないように
雑音にすれば嘘になり
基準も無い言葉の
軌跡を辿れども
読み取れず
こんな決められて無い値なんて
好きに作ってくれと言う事やろ
お前も解ったら
とっと測定をし直さんかい
作/ねなぎ さん
なめとるんか
こんなデータやったら
取らん方がマシやで
同期が上手くかからなくて
流れている光が良く解らなくて
細かくして見ても
雑音に邪魔されて
立場解ってるんかい
お前みたいな奴なんて
幾らでも居るんやぞ
この数値に近づけるんや
解るか
何に対して何をもっての雑音なのか
述べる事も出来なくて
ピークで見れば
高すぎて
かと言って平均にすれば
無くなってしまい
まったく
どういうデータの取り方しとんのや
わしの言う事が
解らんようやったら
解らんと言わんかい
どの位置で
どの視点で
どこの値なのか
こんなデータやったら
うちが不利になるやろうが
うちに有利な値だけ
取ればええんや
解るやろ
判然とせずに
ただ漠然として
理解するのでは無く
感覚で読み取り
確率で割り切って
立ち位置も無くなる
どうせ何処も試験なんて
しやせんのやから
何も解っとらん奴が
提出されたデータ見て
ああだこうだ言って
許可出すだけなんや
基準を決めなくてはと思うのだが
目盛りには
基準など書いては無くて
かと言って目盛りから目が離せなくて
検証もしやせんよ
測定法も知らんような奴等が
書類見て言っとるだけやからな
ちょっと質問したら
答えられんのやから
目盛る事でしか見えない光を
流れとして捕らえる事は出来ないように
雑音にすれば嘘になり
基準も無い言葉の
軌跡を辿れども
読み取れず
こんな決められて無い値なんて
好きに作ってくれと言う事やろ
お前も解ったら
とっと測定をし直さんかい
作/ねなぎ さん
猫缶
2007.07.06 Friday | 20:28
朝になって
公園の湿った土の上に突っ伏していたんじゃないか
雨が上がってむかえる朝のにおいは
ひやりとした黒い土のうえ
収斂していく類のもので
奥に深く潜っていく
噎せ返る速度ににて
体の中に固く黒い毛並みの猛獣を飼っている
その
ようで実は描かれた
かわいらしい
黒いまなこの
がおうとなく
ぬいぐるみ
それをいまだ突っ伏して人差し指でつついてくるくると回せば
やっぱりがおうとなく
鳴くよこれ
仕掛けだよ
つくられた
わざわざ
ぜんまいを巻く種類の
やつだ
それを
巻いて
ぱっと手を離して
動き回るのを見ている
鳴いているのを口を開けてみている
その時の
離した手の
あいまいな
無意味と
ゆびのひらきかた
それが僕で
ほらちょうど薬指の先あたりに
背景がめくれた扉があって
きゅ
とつまんで開いてみれば
そんなものただ猫缶の蓋だから
打ち捨てなよ朝のつめたいかがやきの中に
土の細かなおうとつすらも彫り透かすような
彩度の低いすんだ光の中に
黒い土に
中身を空ければ
たぶんじゅんすいに輝くから
遊具が錆びていくなかでも
作/水町綜助 さん
公園の湿った土の上に突っ伏していたんじゃないか
雨が上がってむかえる朝のにおいは
ひやりとした黒い土のうえ
収斂していく類のもので
奥に深く潜っていく
噎せ返る速度ににて
体の中に固く黒い毛並みの猛獣を飼っている
その
ようで実は描かれた
かわいらしい
黒いまなこの
がおうとなく
ぬいぐるみ
それをいまだ突っ伏して人差し指でつついてくるくると回せば
やっぱりがおうとなく
鳴くよこれ
仕掛けだよ
つくられた
わざわざ
ぜんまいを巻く種類の
やつだ
それを
巻いて
ぱっと手を離して
動き回るのを見ている
鳴いているのを口を開けてみている
その時の
離した手の
あいまいな
無意味と
ゆびのひらきかた
それが僕で
ほらちょうど薬指の先あたりに
背景がめくれた扉があって
きゅ
とつまんで開いてみれば
そんなものただ猫缶の蓋だから
打ち捨てなよ朝のつめたいかがやきの中に
土の細かなおうとつすらも彫り透かすような
彩度の低いすんだ光の中に
黒い土に
中身を空ければ
たぶんじゅんすいに輝くから
遊具が錆びていくなかでも
作/水町綜助 さん